Keizo Murai2022年2月24日1 分川端康成「雪国」は、読み手を選ぶ作品なのです。主人公は妻子ある文筆家、島村。 彼は、一年ぶりに雪国の温泉宿に赴きます。 美しい芸者、駒子との再会を果たすために。 川端康成は、説明的な文章では描かず じつに巧みに、抒情的な表現をしています。 つまり、ここで描かれているのは 二人の微妙な心の揺れ動き。...
Keizo Murai2021年3月2日1 分谷崎潤一郎 「蓼食う虫」は、 関西の伝統文化を愛でる風流人をスケッチした作品です。お話の骨子は 恋人のもとへ足しげく通う妻を持つ夫。 離婚を決意した夫婦の心情が描かれています。 二番目の妻を、 知人に譲った谷崎潤一郎自身の体験が基になった作品です。 そう思って読むと、とても生々しい(;^_^A それ故に 主人公夫妻(谷崎夫妻)のエピソードは...
Keizo Murai2019年2月24日1 分村田沙耶香 著「コンビニ人間」は、無機的に淡々と主人公が自我を確立してしまう話。主人公は30代の女性。 彼女は、大学を出た後、18年もの間、 コンビニでバイトを続けているという・・・。 ・ 冒頭で描かれる幼少の頃のエピソードで、 なんとなく、主人公はアスペルガー症候群であることがわかってしまう(^_^;) すると、そこからのお話は、...